創立25周年記念旅行体験記「ヘルシンキ&パリ&ナント旅行記」
1/28出発 フィンランド航空 ヘルシンキ、パリ、ナントへ行かれたY.Aさんからのご投稿です。ヘルシンキ、パリ、ナント旅行を計画されている方はぜひご覧下さい。
2020年1月28日から2月5日まで8日間でLA FOLLE JOURNEE (ラフォルジュルネ/世界最大級のクラシックイベント)を観に行くことをメインにした一人旅。
第一日目 大阪~ヘルシンキへ(ヘルシンキ泊)
フィンランド航空 関西空港 11:45発 ヘルシンキ 15:00着の便で定刻通りヘルシンキ・ヴァンター空港へ到着。天気は曇り時々雪。日本では新型コロナウイルスのニュースが聞かれ始めた時期だったので、出国やフィンランドの入国時に時間がかかるかと心配していたけれど、どちらもスムーズで一安心。
ヴァンター空港から市内まではシャトルバスで30分ほど。車内でヘルシンキ中央駅から宿泊するアパートホテルまでの道順を再度確認して、歩いて向かうことにする。
ホテルのチェックインを無事済ませて、少しゆっくりしたら、早速街へ出かける。時刻は18時前、外はすでに真っ暗ですが、ヘルシンキは比較的安心して一人歩きが出来るので嬉しい。
売店で市内交通の2daysチケットを購入して中央駅からトラムで向かったのは食器で有名な ARABIA(の元)ファクトリー。ここではARABIAやiittalaのショップと並んでFinlaysonやPENTIKのショップも一度に訪ねる事ができるのでヘルシンキに来たら、やっぱり行っておきたい場所。
Finlaysonにて60%offの表示に一瞬スイッチが入りそうになるが、落ち着いて、まずはPENTIKに行って大正解。なぜならそっちは19時で閉店だったからです。ペーパーナプキンとリネン素材のバッグを急いで買ってFinlaysonに戻り店内を見て回ったけれど、意外と心惹かれるものもなく、お土産用のタオルとペーパーナプキンのみ購入。無事にホテルまで戻って軽く食事をして就寝。
二日目 チョコレートショップとヴィンテージショップ中心にお買い物(ヘルシンキ泊)
早朝からカンピのKマートまで歩いていく。この時期だけ店頭に並ぶルーネベリタルト2個セット、マフィンのようなケーキの上にベリーのジャムとアイシングがたっぷりのって甘そうなので、中でも小さいものを選ぶ。他には、お土産にもなるムーミンパッケージの紅茶や、ベリー入りルイボスティー、ホットチョコレート、野菜にベリー類、Fazerのチョコクッキーなんかでエコバックを一杯にして、帰りにはホテル近くのパン屋さんへ寄ろうとしたら、本日は定休日。明日出直すことにしてホテルへ戻る。
そして待望のmarimekkoのファクトリーショップへ開店時間に合わせて出発。
ファクトリーの最寄り駅からは少し迷いながらも予定通りに到着して、さぁ何から見ようかなぁとワクワクして扉を開けたところ、なぜか、「キャー素敵!」という感じにならず、新作ラインもアウトレットゾーンもあんまり心に響かない。
なぜ?前に来た時は興奮状態で、欲しいものがあれもこれもって感じたのに。機会は今日しかないというのに、うーんなんか違う。何周か店内を回り、せっかくここまで来たけど、今の気持ちに従ってということで何も買わず、楽しみにしていた社員食堂にも寄らず、早々にmarimekkoを後にする。
時刻はまだ11時前。近くにあるスポーツブランド、HALTIのアウトレットショップにも行ってみたけど、ここも空振り。こうなったら、ヴィンテージショップに期待して以前にも訪れたショップ YADEに向かう。
ところが、このお店の前に着くと扉は閉まっており、1月19日をもって閉店したというような内容の張り紙が!雨も降っている中で「うわーなんかついてないなぁ」と落ち込みそうになり、ひとまずホテルに帰ってご飯にしようと、暖かい食べ慣れた味を求めて、中央駅近くのスーパーで出前一丁の袋麺を買ってしまった。キッチン付きのホテルで本当に良かった。
気を取り直して、午後はチョコレートショップ「アンナン スクラーテへダス」から行ってみることに。
お店は小ぢんまりとしていて、店の外から女性が何かを作っている様子が見える。扉が閉まっていてドキドキしたけれど営業時間内であることを確認して、ドアチャイムを鳴らすとまた別の女性の方が扉を開けてくれ、ショーケースに並んだチョコレートを説明してくれる。とても丁寧に手作りされている印象で、グルテンフリーの商品もあり、オシャレなだけではなく、体のことも考えているお店のように感じられた。ボックスに4種類のボンボンショコラを詰め合わせてもらい、シャンパントリュフの袋入りを購入。大満足で近くのセカンドハンドのショップを探すが、ここでもうまくたどり着けず。
諦めてフィンランドデザインのセレクトショップ TREへ向かってひたすら歩いていると、地元の人も入って行くようなアンティークショップを発見。入ってすぐに、「ここは当たり!」と感じ、実際その通りでした。欲しいものは色々とあったけれど、予算や、商品の状態の良さなどを考え、厳選してアラビアの食器と刺繍されたリネンの袋を購入。店主のマダムが素敵な方で、かなりディスカウントしてくれた上に包装も丁寧にしてくださって、「このお店で買い物するために他のお店には行けなかったのかも」と随分と気持ちが明るくなった。
TREでは素敵なものもあったけれど購入には至らず、ストックマンデパートへ。ストックマンに入っているARABIAで姉に頼まれていた復刻されたスンヌンタイというシリーズのお皿を購入して、本日の予定は終了。午後からが充実していたので大満足の一日。買って帰ったルーネベリタルトはカルダモンの風味がして、シャンパントリュフとともにコーヒーと美味しくいただきました。
三日目 ヘルシンキ~パリへ移動 夜のオルセー美術館(パリ泊)
この日はパリへの移動日。パリ市内はストライキ継続中らしく、電車が止まっている区間や閉まっているメトロの駅があるみたい。
空港からホテルまではシャトルバスとメトロを乗り継いで行く予定だったので、とにかく落ち着いて、慎重に行動することをこの日のテーマに決めて出発。
短いヘルシンキ滞在の最後は近くのベーカリーでシナモンロールを買い、シャトルバス乗り場まで歩いて向かう途中にフィンランディアホールと国会議事堂を立ち止まって眺めて、早めに空港へ。
フィンランド航空 ヘルシンキ 12:15 発 パリ 14:20 着の便で定刻通りシャルルドゴール空港へ到着。
空港から市内までは交通渋滞が多少あったけれど、大きな問題もなく、ホテルへ無事到着。
しかしホテルの部屋に入ってホッとしたと思ったら、バスタブ付きを予約したはずなのにシャワーしかなく、慌ててフロントに向かう。フランス語どころか英語もままならないけれど、こういう時はなんとか話が通じるもので、別の部屋の鍵をもらい、再び荷物を担いで部屋を移動。海外では言葉が通じない分、ストレートに発言するのがかえって良いみたい。
この日は木曜日でオルセー美術館が夜も開いているので、少し休んで出かけることにする。
18時半頃にオルセーに到着して、オランジュリー美術館との共通券を購入。全く並ぶ必要はなく、館内も空いていて、とっても観やすかったので木曜日にパリ泊にしておいて本当に良かった。
一度だけ10年ほど前に一人で来たけれど、その時から変化した展示の仕方を体験でき、なんとも言えず好きな空間の中に今いるという喜びを感じながら、限られた時間の中で多くの作品を贅沢に駆け足で見て回った。
遅い時間になると、メトロや町歩きが不安なため、もっと居たかったけれど20時過ぎにはオルセーを出て、緊張しながらホテルへ戻った。行き帰りに見たエッフェル塔はライトアップされてキラキラとしているし、映像や雑誌でみたような素敵な建物に囲まれて自分が歩いていることがとても不思議で、まるで映画のシーンの中にスッと入り込んでいるようだった。
四日目 パリ~ナントへ オランジュリー美術館とオーケストラコンサート(ナント泊)
パリからナントまではTGVの列車で2時間ほどの移動。12:40発に乗る予定だったので、それまでにオランジュリー美術館と製菓材料のお店G Detouに行くことにする。ストライキの影響はそれほどなく、電車もちゃんと動いていて助かりました。
G Detouでは日本では高くて買わないようなお菓子の材料や塩キャラメルなどを購入し、次はオランジュリー美術館へ。最寄りのメトロの駅を出てコンコルド広場を抜けて、9時半には到着できた。ここでは楕円型の展示室の壁に沿って飾られた、モネの『睡蓮』をみることが第一の目的。本来は他にもモディリアーニ、ピカソ、ルノアール、ピサロ、セザンヌなどの作品が見られる美術館ですが、この時は改装中でそれらは見ることは叶わず。残念だったけども、『睡蓮』の展示室でゆったりと過ごせたのでそれも良かったのかもしれない。
パリ市内から乗るTGVの出発点はモンパルナス駅。行き先によってホームの階が違い、ナント行きは最上階。TGVに乗るのは初体験だったので、早めにチェックアウトをして駅で列車を待つことにした。指定の座席を間違えたり、eチケットのチエックに緊張したりもしたけれど、席は割と広く快適で、荷物を置くスペースも十分にありリラックスして、列車の旅を楽しむことができた。
ナント駅には予定通り14:50に到着。駅からホテルまでは1.5㎞程。ナントはパリの街よりも随分安心感があって、昨年に訪れていたこともあり、歩いてホテルまで無事到着。
そして待望のLA FOLLE JOURNEE 2020 の会場へ。毎年一つのテーマにそって色々な演奏プログラムが組まれている音楽祭ですが、今年のテーマはベートーベン。
まず観ることができたのは17:30からのコンチェルト・ブダペスト(ハンガリーのオーケストラ)の公演。クラシック音楽についての知識はほとんど持っていないので、ホテルに戻ってから演目が「交響曲5番 皇帝」だったことを調べて知りました。とにかく素晴らしい空間で心地よい時間を過ごせ、移動の疲れも感じませんでした。朝のパリから始まって、この日も贅沢かつ充実した1日となりました。
五日目 コンサートと普段のお買い物(ナント泊)
この日のコンサートは11:45~ マリー=アンジュ・グッチさん(ピアニスト)と16:15~ Trio Owon( ヴァイオリン・チェロ・ピアノ編成のトリオ)の2つのプログラムを楽しみました。マリーさんは昨年5月の東京でのLA FOLLE JOURNEE で初めて観てファンになってしまった方ですが、再びフランスで観られるなんてその時は想像もしていなかった。
この音楽祭の魅力として私が感じているのが観客と演奏者の距離の近さや、誰もが気軽に音楽を楽しめるところなのですが、今回のマリーさんの会場でも小さい子供達が大勢いて、自由に聞いていられるような雰囲気がとても素敵でした。ピアノという楽器を介して演奏されているのですが、まるで彼女の内側から音がこぼれて、きらめきとなって溢れているように感じられる最高の時間でした。
コンサートの合間には、再訪を楽しみにしていたチーズショップ、beillevaire(ベイユヴェール)でお土産のバターやデザート、お惣菜を買い、デパートのセールを覗いたり、スーパーや地元のパン屋さんで食材を購入し、ホテルで料理をしたりと、この日はのんびりと過ごすことができました。
六日目 コンサート三昧(ナント泊)
LA FOLLE JOURNEE 2020 最終日は4つのコンサート。中でもアナスタシア・コベキナさん(チェリスト)の2つの公演を特別に楽しみにしていた。この方も昨年初めてナントに来た時にオーケストラとの共演を観て、一瞬でファンになった方ですが、その後東京でのLA FOLLE JOURNEE 2019ではコンサート+サイン会で直接お話しすることも出来たので、世界的に活躍されている方でありながら気さくに話してくださるキュートな姿により一層魅了されたのでした。
コンサートでの演奏はのびやかで、まるで鳥が羽ばたいているような美しさや力強さを感じます。ピアニストのクレマン・ルフビュルさんとの共演を300?450席規模の小さめの会場で堪能することが出来て、本当に至福の時でした。
実は、今年の東京でのLA FOLLE JOURNEE 2020でも来日予定でしたが、残念ながら中止になってしまいました。
この旅の間に普通にできていたことが、実はとっても幸運に恵まれたことの連続だったのかもしれないと、今となっては思います。
七日目 ナント街歩き ナント~空港へ(パリ泊)
この日は ナント15:27発 ? 空港18:42着のTGVで午後から移動する日。そこで、ホテルのチェックアウト前には再びスーパーと薬局へ。フランスの薬局では日本でも売っているコスメがリーズナブルに買えるので、お土産も含めてアロマオイルなどと一緒に結構な数を大人買い。お店の人には、「これ全部、本当に買うの?」という感じのことを言われました。
チェックアウト後はデパートなどで服を少し買って、ショコラトリーDEBOTE でバレンタイン用のチョコレートも購入。このお店はたまたま見つけて入ったのですが、以前に知人に教えてもらっていたお店と後で分かって、もっと沢山買えばよかったと激しく後悔。
朝から忙しく動き回っていたので、気持ちを落ち着けるために、教会へ。街中も割と静かですが、教会の中はさらに落ち着いていて心地よい静けさ。日常と全く縁のない場所でぼーっとできるのはこんな時だからこそ。
その後列車での移動は問題なく、空港近くのホテルに20時前にはチェックインできました。この旅も残すところあと少し。
八日目 パリ~ヘルシンキ~大阪へ 最後の試練(機中泊)
日本への帰国便は来た時同様ヘルシンキ経由で。
フィンランド航空 パリ 10:50発 ヘルシンキ 14:50
フィンランド航空 ヘルシンキ 17:30発 関西空港 09:30(+1)
飛行機にスムーズに乗ることができれば、あとは何も心配ないと思っていましたが、この旅で一番慌てる体験をした日でした。
前日に泊まったホテルのスタッフの勧めで、出発の二時間半前には空港に到着し、前日に航空券のチェックインも済ませていたので、余裕の気分で出発ゲートに向かって歩いていくと、多くの人が並んでいる列がありました。新型コロナウイルスの影響で、検疫のような検査をしているのかと思い、そのまま列に並んだところ、それは手荷物検査のゲートだったのです。当然止められました。まだ荷物を預けていなかった私のバックパックの中からは、持ち込み禁止の液体(アロマオイルや化粧品、バター)が次々に取り出されて、「これもダメ、はいこれも」というように台の上に並べられます。あわや全て没収か!という場面でしたが、私の落胆した様子に同情したのか、係の人が「もう一度外に出たい?」というようなことを言ってくれ、もちろん「YES!」と答えて、何とか荷物を詰め直し再びゲートの外へ。そして落ち着いて、フィンランド航空のカウンターを探し当て、荷物を預け、再び検査場へ。早めに空港に来ていたので焦らずに対応できて本当に良かった。日本の空港ではすることのない自分の失敗に恥じ入って列に並んでいると、前に並んでいる人が止められて、またドキッとする。その人のカバンの中から出てきたのは、かなりごついナイフ。「それは絶対アカンやつやん」と心の中で笑ってしまい、小さな失敗にくよくよすることないなぁと心が軽くなりました。
その後はヘルシンキまでのフライトは順調で、乗り継ぎの合間に免税手続きもこなして、大阪まで無事に帰ってくることができました。
※この旅行記は2020年5月に書かれたものです。最新の情報はご自身でご確認ください。
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