ルーマニア&ハンガリー旅行記
9月20日~27日の5泊8日で当社社員が、カタール航空主催の研修旅行に参加してルーマニア・ハンガリーへ行ってきました。旅行記スタイルで最新のカタール航空とルーマニア・ハンガリーの情報をお届けします。
往路乗継地のドーハまではビジネスクラスに搭乗!快適な空の旅を体感しました。ビジネスクラスのシートのリクライニングは180度フルフラット。ヘッドフォンもエコノミーと異なり、ノイズキャンセラー付き。飛行機のゴーっという音も掻き消してくれます。
深夜発ということで、最初の機内食は軽食。約5種類から選択できますが、私は寿司を注文…絶品でした。お酒もシャンパンやらワインやらいろいろなラインナップがあるようでしたが、私はお酒が飲めないのでそこはレポートできず…。到着2時間前には朝食がサーブされます。
11時間のフライトを経て、飛行機はドーハ国際空港に到着。通常であれば、ここから乗換用のターミナルに向かいますが、我々一向はファースト・ビジネスクラスのお客様向けのプレミアムターミナルの見学へ。プレミアムターミナルは待合室自体がラウンジで、そこでは飲食し放題、マッサージ機やメディカルセンター、子供用の託児所やゲームコーナー、会議室を備えたビジネスセンター、シャワールームに加えファーストクラス向けではありますがスパまで備わっています。ビジネスクラスのラウンジは私も何箇所か見学したことがありますが、この規模は他とは比にならないぐらい大きい…しかしフライトが集中する時間帯は席が足らないぐらい混み合うようです。
夢のようなターミナルの見学を終え、ブカレストに向かいます。約5時間のフライトで飛行機はブカレストに近付いてきました。眼下には田園風景東欧らしいチェルノーゼムの黒土地帯が広がっていました。天気はあいにくの雨…飛行機はブカレスト・アンリ・コランダ空港に滑り込みました。
ブカレスト到着。空港は非常にコンパクトであっさり入国審査も終わり、現地ガイドの待つ到着ロビーへ。
早速ここからブカレスト観光に向かいます。と言ってもブカレストは正直言ってそれほど観光スポットはありません。その中で一大スポットとなると、悪名高きニコラエ・チャウシェスクが建てた「国民の館」。この建物は名前こそ「国民の館」ですが、本質はチャウシェスクの私欲の塊。内部は至るところに金などの装飾だらけ。建物の規模もワシントンD.C.のペンタゴンに次ぎ世界第2位とのこと。最初に目に入ってきたときは、その大きさに度肝を抜かれました。
その後、旧市街を散策後、そのままルーマニアで初めての食事へ。この日のメインは「サルマーレ」と呼ばれるルーマニア料理で、日本で云うロールキャベツのようなものでした。味は日本人の口に合うもので、非常に美味しく頂きました。
その後、旧市街を散策後、そのままルーマニアで初めての食事へ。翌日、我々一行はルーマニアの中央に位置するブラショフに向かいます。
ブカレストを出発。15分もするとそこはだだっ広いルーマニア平原、小麦やとうもろこし畑が広がります。のどかな景色の中1時間程度走ると平原と別れを告げ山間部へ。そんな中バスは約200km北にあるブラショフに向かいます。途中には18世紀に王侯貴族の別荘地として栄えた街「シナイア」や吸血鬼ドラキュラの居城のモデルになった「ブラン城」などの観光スポットも点在します。
夕刻、バスはブラショフ到着。旧市街中心部では街のお祭りで人が溢れています。その後ホテルに到着すると結婚披露宴をやっていました。大音量で音楽が流れ、大勢の人が民族衣装を着て入れ替わりで踊っていました。
翌日は進路を西に向け、一路シビウへ。途中には世界遺産にも登録されている「シギショアラ」という街もあります。このあたりの移動はまた景色が変わり、丘陵地帯をひたすら走ります。200km程度走るとシビウに到着です。ここシビウでもお祭りのようなことが開催されていて、夕食後に散策すると夜9時をまわっても旧市街では多くの人がオープンカフェみたいなところで酒を酌み交わしていたり、中にはバイオリンの演奏会をしている若者もいたり…いい雰囲気に浸っていました。
翌朝シビウの街を軽く見学した後、約270km先のティミショアラに向かいます。この日も延々丘陵地帯を走ります。約6時間後、バスはティミショアラへ。ここティミショアラはルーマニア革命の引き金になった街です。ルーマニア正教会の前で多くの市民が虐殺されたことをガイドさんから聞きました。日本でも戦争体験の話をよく耳にしますが、ここで起こったことはわずか23年前の話。この国の悲劇の歴史は本当に近い過去の話です。
ティミショアラで1泊した後、いよいよバスは最終目的地ハンガリーのブダペストに向かいます。
ルーマニアでの滞在を終え、一路ハンガリーを目指して走り出します。
ティミショアラから約1時間半で国境の検問所に到着。ルーマニア・ハンガリー共にEU加盟国ですが、ルーマニア国境検査が免除になる「シェンゲン協定」の加盟国でないため、昔ながらの検問所が存在します。軍人ぽい検査官がバスに乗り込み、全員分のパスポートを回収し、15分ぐらいしてパスポートが戻ってきました。ルーマニアとハンガリーには1時間の時差があります。
国境から30分強走ると「セゲド」という街に到着です。人口約17万人の地方都市ですが、街の中心に大学があり、学生で溢れた非常に活気のある雰囲気。中世の街並みですが、そんな中を最新型のトラム(路面電車)が走り回っています。西欧の地方都市でもこのようなトラムのある風景はよく目にしますが、人々の足として車ではなくトラムが活躍する光景はこれからの時代もっと多く見られるようになるのでしょうね。それにしても欧州の街並みとトラムがマッチするのは何故でしょう?
セゲトを後にし、途中「ケチケメート」という街に少し立寄って、バスはいよいよブダペストの街に入っていきます。ブダペストも至るところにトラムが走っています。トラムと言ってもセゲドのそれとは違い、昔から走っているような味のある車両です。ドナウ川を挟んだ両岸に、またドナウを跨ぐ橋の上にもトラムは走っています。
ブダペストに到着して最初に向かうのは「ゲッレールトの丘」です。この「ゲッレールトの丘」からはドナウ川を挟んだブダペストの街が一望できます。個人的に一番来たかった場所でもあり、その眺めは本当に感動的でした。天気にも恵まれ、非常に気持ちいい!!ゲレルトの丘から下り、この日の夕食はドナウ川に浮かぶ船での夕食、その後は夜のディナークルーズに出かけます。
今回の旅、最後の夕食はドナウ川に浮かぶ船上レストランでのディナー。
さぁいよいよ夜のドナウ川クルーズに出発です!黄昏時のいいムード…対岸に聳え立つ王宮が徐々に影に包まれていきます。クルーズ用の遊覧船(ボート)は2階建て。船が出港すると、夜のパノラマが広がります。対岸の王宮や、ドナウ川を渡る橋、その他川岸の建物がライトアップされて非常に輝かしい雰囲気を醸し出しています。食事はハンガリー料理。と言ってもルーマニア料理とほとんど同じです。
クルーズを終え、ホテルに向かいます。最後の夜ということもあり、ホテル着後参加者全員再集合し、夜の街に繰り出しました。ブダペストは夜でも多くの人が食事をしたりお酒を酌み交わしていたり、非常に活気のある感じでした。
翌朝、日の出から出発までのわずかな時間を使って街に繰り出します。ブダペストはさすが大都会、歩いてだけではとても回れないため、地下鉄駅で24時間チケットを購入。このチケットがあれば地下鉄・トラム・バスなどが載り放題になります。
まずは地下鉄とトラムに乗って「中央市場」に向かいます。地下鉄の車両はなんとも年季の入った車両…それもそのはず、ブダペストの地下鉄はヨーロッパでロンドンについで2番目に古く、1号線は地下鉄の路線自体が世界遺産に登録されています。地下鉄の駅で驚いたのがエスカレータ。めちゃくちゃ早い!多分日本と比較すると2倍の早さ!!
中央市場は日本のそれとは違い、外見はなかなか荘厳な造りをしています。大きな建物の中では多くの八百屋や肉屋が軒を連ねていますが、まだ朝も早いのか人はまばら…何か果物あたり買い食いでもしたかったですが、そんな時間も無いので一通り見るだけで退散…次へ参ります。
続いてドナウ川沿いを走るトラムに乗車します。「トラムからドナウ川を眺める」のが目的でしたが、当ては大ハズレ。ラッシュで満載のトラムではそんな旅情に浸ることも出来ませんでした。
次は世界遺産に登録されている地下鉄1号線を見に行きます。駅に行くとびっくり!なんともレトロな雰囲気で壁はタイル張り、ホームに入るところにある扉は教会にあるような木製のもの、ホームの長さも30mぐらいしかなく、「地下鉄」というより「トラム」と言ったほうがしっくりくるような「ミニ鉄道」でした。
その後街をぶらぶらしながらブダペストのターミナル駅の1つ「西駅」へ。国際列車は主に東駅を利用することが多いですが、時間的な問題もあったのでこちらを見学。駅の雰囲気は西欧の大都市のものとは比較にならないほど小さく、人もまばらな印象ですが、やはりヨーロッパに来たと実感できるのはこういったターミナル駅だと勝手に思い込んでいます。この駅には「世界で一番美しい」と言われるマクドナルドがあります。とりあえず入り口から覗き込んで写真をパシャリ…いよいよ時間がなくなってきました。西駅からトラムでホテルに戻ります。
最後の観光は、ブダペストの市内をバスで回ります。ブタペスト東駅の脇を通り、まずは英雄広場へ。数々の銅像が並ぶ広々とした広場は気持ちがいい!ただ、見渡す限り中国人・韓国人の団体旅行客ばかり。英雄広場の裏側は市民公園という広い緑地が広がり、そこには動物園やサーカス、遊園地や有名な「セーチェニ温泉」があり、ブダペスト市民の憩いの場であることがよくわかります。
そこから再びアンドラーシ通りという大通りを中心部に向けて走ります。横目に国立オペラ劇場やブランドショップを眺めながらドナウ川へ。有名なくさり橋を渡り次に向かうは王宮の丘にある「漁夫の砦」へ。昨日ゲッレールトの丘からのブダペストのパノラマに感動したばかりでしたが、ここからの景色も素晴らしい!
ハンガリーのお土産で有名なのは「パプリカ」「フォアグラ」「トカイワイン(貴腐ワイン)」「カロチャ刺繍」。パプリカについては調味料としてのパプリカパウダーがよく売られています。フォアグラについては、日本で買うよりもずいぶん安いらしいです。貴腐ワインですが、甘味が非常に強いワインです。カロチャ刺繍についてはコースターからテーブルクロスなど多種多様あり、コースターなんかは日本円で¥300程度でも購入できます。かさばらないし軽いし、おまけに安く特産品であることを考えるとお土産にはもってこいです。
昼食を取ったらいよいよ空港に向かいます。空港までは車で30分程度。リニューアルしたばかりのブダペスト空港は綺麗でスタイリッシュな感じです。
5時間強のフライトで飛行機はドーハ到着。ドーハに到着したのは夜11時半過ぎですが、この空港ではこの時間が一番人が多いようです。このターミナルの端には無料で利用できるスリーピングスペースがあります。リクライニングできる椅子が200脚ぐらいあるようで、乗継時間が長めの人には嬉しい設備ですね。2時間程度の乗継で帰国便に搭乗します。約9時間半のフライトを経て関西空港着。この旅も終わりを迎えました。ルーマニア・ハンガリーととにかく移動の多い旅でした。ブダペストについては、個人旅行でも十分楽しめる街です。当社SPCでも一都市プランや他の都市との周遊プランなどどんどんツアーを企画していきたいと思います。
※この旅行記は、2012年9月に書かれたものです。最新の情報は、ご自身でご確認ください。